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朝がまたくるから 感動できるマンガですよ。

これは三編のオムニバスなんですが、私は最初の「葦の穂綿」が一番好きです。
「罪」というとても重くて難しい題材をテーマにしたお話なのに、初めから終わりまで、まるで優しいてのひらのなかに包まれているような心地になるお話です。

 

少年時代に人を殺めてしまった青年、孝要が自分の生き方を若くして決めつけてしまっているところに心が痛みます。
体だけの関係なら相手はいるけれど、誰かを心から愛することは決してしない、独りきりで償い続けながら生きようと考えている彼の心を、鈴はほんの一時でも癒すことが出来た、それが救いだと思います。

 

鈴の真っ直ぐな思いと、そして、けれども彼を変えることは出来ないのだという諦観がもどかしく、胸に沁みます。